まず、不動産の「契約日」には何をする?

一般的な不動産売買では、契約を締結する前に宅地建物取引士から重要事項説明を受け、そのうえで売買契約書の内容を確認し、契約手続きを進めます。

実際の順番は取引によって前後しますが、イメージとしては次のような流れです。

本人確認・必要書類の確認買主・売主の本人確認や、契約に必要な書類等を確認します。
重要事項説明物件、権利関係、法令上の制限、契約解除、住宅ローンに関する事項など、購入判断に重要な内容の説明を受けます。
売買契約書の確認売買代金、手付金、引渡日、ローン特約、解除条件、特約事項などを確認します。
署名等・手付金の確認内容に納得したうえで契約手続きを行い、手付金の授受または事前振込の確認をします。
契約後の予定確認住宅ローンの本審査、立会い、残代金決済、引渡しなど、次の手続きを確認します。

大切なのは、書類に名前を書くことではありません。何を買い、どのような条件で契約し、契約後に何をしなければならないのかを理解することです。

契約日は「書類にサインする日」ではなく、
購入条件を最後に確認する日。

契約には何時間くらいかかる?

法律で「契約は○時間以内」と決まっているわけではありません。物件の種類、説明事項、契約条件、ご質問の量などによって変わります。

ハウジングスカイの実務感覚では、中古住宅や土地などで、重要事項説明から売買契約まで2時間前後を見ていただくことが多くあります。

一方、新築戸建てなど不動産会社が売主となる物件では、重要事項説明・売買契約だけでなく、建物の仕様、設備、保証、アフターサービス、引渡しまでの手続きなどについて説明が行われることも多いため、3時間程度かかることも珍しくありません。

もちろん、内容が複雑な物件や質問が多い場合には、それ以上かかることもあります。

「早く終わる契約」が、
良い契約とは限りません。

分からないところを「時間がかかるから」と遠慮して飛ばす必要はありません。重要事項説明で分からない点は、契約前に確認しておくことが大切です。

手付金は、契約当日に現金で持っていく?

以前は契約の席で現金を授受する場面も多くありましたが、最近では多額の現金を持ち歩くことを避けるため、契約日までに売主指定口座へ振り込むケースも多くなっています。

その場合は、契約当日に入金状況などを確認して手続きを進めます。

ただし、振込日、振込先、名義、契約が成立しなかった場合の取扱いなどは取引によって異なります。仲介会社や売主から正式な案内を受ける前に、自己判断で振り込まないようにしてください。

なお、新築マンションなどでは、購入申込みの際に「申込金」「申込証拠金」などを預ける場合があります。これは、売買契約締結時に支払う「手付金」とは性質が異なります。

契約前の購入申込みに際して支払った申込金は預り金であり、申込みを撤回した場合、宅地建物取引業者がその返還を拒むことは禁止されています。

なお、当社の通常の仲介取引では、購入申込みの段階で申込金をお預かりする運用は行っていません。

小さい子どもを契約に連れて行っても大丈夫?

お子様を連れて契約に行ってはいけない、というものではありません。ただ、2時間、場合によっては3時間程度になる契約で、小さなお子様がずっと静かに待つのはなかなか大変です。

お子様を連れて行く場合は、事前に不動産会社へ伝えておくことをおすすめします。休憩を挟む、時間帯を調整するなど、対応できる場合があります。

持っていくと助かるもの飲み物、おやつ、絵本、タブレットなど。長時間になる前提で準備しておくと安心です。
途中で休憩してもいい?もちろん、必要であれば申し出て構いません。大切な説明を集中して聞けない状態で無理に進める方が問題です。
預けられるなら預けた方がいい?可能であれば選択肢の一つです。ただし家庭の事情はそれぞれです。子ども連れだから契約できない、という話ではありません。

夫婦で買う場合、二人とも契約に出席しなければいけない?

ここは「夫婦で家を買う」という言葉だけでは判断できません。誰が売買契約上の買主になるのかによって変わります。

夫だけ(または妻だけ)が買主になる場合

売買契約上の買主が一人だけであれば、配偶者が当然に契約当事者になるわけではありません。住宅ローンの組み方などによって別途手続きが必要になることはありますが、「夫婦だから必ず二人で契約に出席」という意味ではありません。

夫婦二人が買主になる場合

共有名義などで夫婦二人とも売買契約上の買主になる場合は、二人とも契約当事者です。原則として、それぞれが契約内容を確認・理解したうえで手続きを進めることが大切です。

では、仕事や育児などで、どうしても二人の予定が合わない場合はどうするのでしょうか。

「二人そろわない=絶対に契約できない」
と決めつける必要はありません。

取引内容や相手方の対応によっては、委任状を用いた代理手続きや、ITを利用した重要事項説明などを検討できる場合があります。現在、売買取引でも一定の要件を満たせばIT重説を行うことができ、重要事項説明書等の電子提供についても制度が整備されています。

ただし、代理手続きに必要な書類や本人確認の方法、売主側の運用などは取引によって異なります。片方が出席できない場合でも、もう一方だけで手続きを進められるとは限りませんので、契約日を決める段階で仲介会社に相談してください。

契約日に何を持っていけばいい?

本人確認書類、印鑑、手付金に関する資料、印紙代などが必要になることがありますが、必要物は取引方法や電子契約の有無などによって異なります。

そのため、ネットの記事を見て一式を自己判断で準備するより、担当する仲介会社から届く「契約時の持ち物」の案内を確認するのが確実です。

夫婦共有名義で片方が代理する場合などは、委任状や印鑑証明書等を求められるケースもあるため、特に早めの確認が必要です。

契約したあとに「やっぱりやめたい」はできる?

購入申込みの段階と、売買契約を締結した後では意味が大きく違います。

売買契約成立後に解除する場合は、契約内容や状況に応じて、手付解除、ローン特約による解除、契約違反による解除など、それぞれのルールに従うことになります。

「とりあえず契約して、あとで考えればいい」というものではありません。

契約書に署名する前なら聞けたことを、
契約したあとで初めて確認しない。

疑問点があるなら、契約当日までに担当者へ送っておくのも一つです。当日に初めて見る資料や聞く話をできるだけ減らしておけば、契約内容そのものに集中しやすくなります。

契約当日より前に確認しておきたい5つ

1.何時から、何時間くらいを予定しているか特に小さなお子様がいる場合は、終了予定の目安まで聞いておくと予定を組みやすくなります。
2.誰が出席する必要があるか共有名義、ペアローン、代理手続きなどがある場合は早めに確認します。
3.手付金はいつ、どこへ、どう支払うか事前振込なのか当日なのか。金額だけでなく方法も確認します。
4.当日の持ち物本人確認書類、印鑑等、必要なものを一覧でもらっておくと安心です。
5.分からないことを先に質問しておく契約日までに重要事項説明書や契約書案を確認できる場合は、疑問点を事前に整理しておきます。

不動産契約は「儀式」ではありません

小さいお子様がいる。夫婦の休みが合わない。仕事を何時間も抜けられない。事情は家庭によって違います。

不動産契約は、全員が同じ日に何時間も黙って座っていなければならない「儀式」ではありません。

一方で、時間を短縮することだけを優先して、内容を理解しないまま契約するのも違います。

大切なのは、契約する本人が内容を理解し、
納得したうえで契約すること。

時間や出席方法に事情がある場合は、契約直前ではなく、できるだけ早い段階で仲介会社へ相談してみてください。

KNOW BEFORE YOU SIGN.

契約前の疑問は、契約前に。

物件や契約条件によって必要な手続きは変わります。分からないことがあれば、契約日を迎える前に一つずつ確認しておきましょう。

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参考:2026年9月時点。所要時間や手付金の支払方法などは、ハウジングスカイ株式会社の売買仲介実務をもとにした目安であり、取引・売主・仲介会社等によって異なります。個別の契約では担当する宅地建物取引業者の案内と契約書類をご確認ください。

国土交通省|重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明 実施マニュアル
不動産適正取引推進機構|重要事項説明について
不動産適正取引推進機構|契約の解除と手付金の返還等