「徒歩1分=80m」という共通ルール
不動産広告の徒歩所要時間は、実際に誰かがストップウォッチで歩いて測るのではありません。道路距離80mにつき1分として算出し、1分未満の端数は切り上げます。
道路距離810m → 徒歩11分
つまり「徒歩10分」は、実測10分を保証する表示ではなく、共通ルールで道路距離を時間に換算した数字です。
直線距離800mではありません
駅と物件を地図上で直線で結んだ距離ではなく、実際に通行できる道路に沿った距離で計算します。川や線路、大きな道路などがあれば、それを越えられる経路を使います。
なぜ「徒歩10分」が12分、13分になるのか
広告上の徒歩時間では、信号や踏切の待ち時間、坂道や階段などを所要時間に反映しなくてもよいとされています。大きな交差点、朝の踏切、急な坂。実生活では時間や負担が増えても、道路距離が同じなら広告上の徒歩分数は変わりません。
「駅に着く」と「電車に乗れる」は別の話
駅までの着点は、地上駅なら駅舎の出入口、地下鉄等なら地上の出入口が基準です。そこから改札やホームまでの時間は別です。
マンションなら「部屋の玄関」から10分でもない
マンションやアパートでは、物件側の起点は建物の出入口です。自宅玄関から廊下を歩き、エレベーターを待って1階へ降り、エントランスを出るまでの時間は「駅徒歩10分」には含まれません。
「徒歩8分~11分」という広告がある理由
2戸以上の分譲物件では、駅などまでの所要時間について、販売対象のうち最も近い住戸・区画だけでなく、最も遠い住戸・区画についても表示するルールです。そのため「○○駅 徒歩8分~11分」のような表示があります。
「徒歩10分」と「徒歩11分」を数字だけで切らない
検索条件を「駅徒歩10分以内」にすると徒歩11分の物件は外れます。しかし、徒歩10分の物件に大きな交差点や坂があり、徒歩11分の物件は平坦で信号が少ないこともあります。
候補が少なければ11分、12分まで広げる。それだけで選択肢が増えることがあります。
同じ徒歩10分でも、毎日の負担は違う
平坦で歩道が広く信号が少ない10分と、急な坂・狭い歩道・大きな交差点・踏切がある10分。広告上は同じでも体感は違います。雨の日、真夏、買い物袋を持った日、小さなお子さんと一緒の日、将来年齢を重ねてからも歩く道です。
気に入った物件なら、駅まで一度歩いてみる
一番おすすめしたいのは単純です。本当に気に入った物件なら、自分の足で駅まで歩いてみる。時間だけでなく、歩道、坂、信号、踏切、夜の明るさ、買い物施設、通学路、駅入口からホームまでの距離も確認します。
できれば通勤時間帯にも歩いてみる
駅距離を重視するなら、可能であれば実際の通勤・通学時間帯にも確認したいところです。朝は踏切が閉まる回数が増えたり、駅前や歩道が混雑したりすることがあります。逆に「徒歩12分」が平坦で歩きやすく、思ったほど負担に感じないこともあります。
「10分で着かなかった」=広告が嘘、とは限らない
規約に沿って道路距離から算出した10分と、信号待ちなどを含めて実際に歩いた13分では意味が違います。もちろん道路距離自体を誤ったり、通れない経路で短く計測したりしてよいわけではなく、徒歩所要時間を短く表示した広告が違反として措置された事例もあります。
結論。「徒歩10分」は距離の目安として読む
徒歩所要時間は物件同士を共通基準で比較するには便利です。しかし、信号、踏切、坂道、マンション内の移動、駅入口からホームまで、自分の歩く速さまでは表していません。
そして、本当に気に入った物件だけは自分の足で歩いてみる。
毎日の通勤や通学で使う道なら、販売図面の1分差より、実際に歩いた10分の方が、ずっと多くのことを教えてくれます。
駅距離は、数字だけでは分からない。
気になる物件があれば、徒歩分数だけで候補から外す前に、周辺環境まで含めて確認してみてください。
気になる物件を相談する首都圏不動産公正取引協議会|徒歩所要時間について
首都圏不動産公正取引協議会|物件の内容・取引条件等に係る表示基準